B社での仕事が今日で最後となったので、同僚の一人が気を利かせてくれて、居合わせた何人かと写真を撮った。本当に小さく、小ぢんまりとしたスナップ写真だ。Tさんが携帯電話で撮ったものを、職場で写真撮影をするなんて珍しいなと思いながら余り乗り気ではなく私が写り込んでいるそれを、彼女は退勤の際に何気なく私に手渡してくれた。並んで写る顔を見比べて、それにしても私は年齢の割に老け込んだなと思った。子供を連れて職場に顔を出していたOさんは、親子で写真に収まっていた。その子はとても大人しく、幾らかは緊張していたかもしれないが知的な性質の潜む控え目な立ち振る舞いで、私を直裁に驚かせるのだった。バルトから「眼の背後にではなくて、眼の上に、余分の知性を貯え、思考力を保ち包蔵しているように見える」[『表徴の帝国』]という言い回しを借りて、私にはこのような瞼への印象にOさんと息子であるH君との血の繋がりが端的に見出だされてくるのだと思えた。
August 14, 2008
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時刻: 20:17
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August 13, 2008
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仕事が終わって、一度帰宅してから自転車で漕ぎ出して川縁を走り、近所の古書量販店へと向かった。仕事で世界史の知識も必要となってくるように思われたから、河出書房新社刊『世界の歴史』のうちから「古代インド」「イスラム世界」「ルネサンス」「絶対君主の時代」(Bd. 6, 8, 12, 13)と、『交通地理学』(大明堂、1968年)、小学館刊『原色世界の美術』のうちから「ギリシア」(Bd. 11)を選び出し購入した。
時刻: 21:57
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August 11, 2008
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「眠れねえのか? 明日の今頃はよ、歴史上の人物だな。……昼間、下で工事してた連中、山ほど貝殻掘り当てたそうだぞ」
「へえ。何でこんなところに……」
「何でだと思う? ……ここは昔、石器人たちのゴミ捨て場だったんだ」
「へえ。」
「可笑しいだろ。この最新式宇宙船は、ゴミの中に立っているんだぞ」
「へえ……、まさか石器人だって、自分たちのゴミ捨て場が宇宙船の打ち上げに使われるなんて、思わなかっただろうな……」
「これからさ、さらに一万年後、ここで何かするヤツはいるんだろうか……」
「大量の食い残しの中にさ、鉄骨やらコンクリートやらが混じって、さぞかし壮絶だろうな」
[GAINAX『王立宇宙軍 オネアミスの翼』1987年]
時刻: 22:46
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August 9, 2008
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尾久からの稽古帰りの埼京線で、隣に座るタイ人女性からタイ米の匂いが香るのを、妙な懐かしい気分に浸っていくように感じて、膝の上に開いた本に視線を落としながらも、瞼の裏へ懐かしい彼の地のすがたを想像する私には、幼い頃に過ごした熱気を嗅ぎ分けたならいつでも復たそこへと辿り着けるような気がした。オデュッセウスが遠く望郷の向こうに霞んでいくイタケーを見たようにして、私は度重なる困難にも勇敢に立ち向かいながら、やがて彼の地の土を踏み締めていることだろう。
——ただいま! 私は度重なる困難にも勇敢に立ち向かってまいりました! オデュッセウスはいまやっと帰り着いたのでございます!
時刻: 22:42
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August 8, 2008
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オペラシティアートギャラリーにて『近藤恵介展』を観る。
そして、そのついでと云う気分で、『トレース・エレメンツ——日豪の写真メディアにおける精神と記憶』展を観た。
事前に下調べをしていた訳では無いので、古橋悌二《LOVERS——永遠の恋人たち》(1994年)のキャプションを目にした時は、驚いたし興奮した。
この作品については以前より様々な媒体から知識(彼の死によって神聖視された)を得ていたが、実際に目にするのはこれが初めての事だったからだ。
なびす画廊にて『P——利部志穂展』を観る。
昨年に観た同画廊での作品と比較して、インスタレーションへの傾向をさらに強いものにしていたが、それにより扱われた素材の物質感は殊更に際立っていた。
その為に、私には最早「彫刻」と「インスタレーション」との差異が殆ど疑わしいまでに接近していると感じられた。
蓋し、初見の直観に従えば、この作品は歴然として「彫刻」である。
ただその根拠を明晰に述べる事が出来ないほどに、私は「彫刻」についてを掘り下げて再考せねばならないと云った具合に陥ったのだった。
時刻: 20:53
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〈編集中〉,
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August 7, 2008
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仕事が終わって、一度帰宅してから、自転車で漕ぎ出して近所の古書量販店へと向かい、
大江健三郎『河馬に噛まれる』(1985年)、
id.『治療塔』(1990年)、
島田雅彦『夢使い』(1989年)、
id.『愛のメエルシュトレエム』(1991年)、
id.『忘れられた帝国』(1995年)、
id.『流刑地より愛をこめて』(1995年)、
id.『内乱の予感』(1998年)、
これらを購入した。
時刻: 22:45
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August 5, 2008
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最近リリースされた2本のアルバム——Beck "Modern Guilt" と Primal Scream "Beautiful Future" を試聴していたら、何だか笑えてきてしまった。きっと皆な疲れているんだ。誰しもが今はこういう音楽に浸りたくなる。いかにも売れセンのポップ・ソングというのも嫌だし、かといってロック調のけれん味を欲している訳でもない。モダニズムの再来を志向するにしても、今すぐには The Beatles や Peter Ivers なんかの"王道"を聴く気分にはなれない。すぐに疲れてしまう。今年の余りに夏らしい夕立や雷の為に、北半球は一斉に夏バテを喰らっているような気がする(でもこれは、あくまで東京から世界を眺めた限りでの一方的な感想だ)。だからこんな寄り道みたいな音楽が出来上がったのだろう。3日ばかり我慢してこの2本のアルバムをヘヴィに聴き続けたら、きっと気分もすっかり良くなる予感がする。それも悪くない、何せ今はそういう気分なんだから。
時刻: 19:55
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