September 1, 2006

世界のこと

昼過ぎには降っていた雨も、やがて止み、
薄明かりが差していた。

私は煙草を買いに出掛けた。

道沿いには電柱が行儀善く立ち並んでいたが、
巧妙な光の加減に因って、
電線の傍に従うアスファルトのうっすらとした窪みに気が付いた。

「これは雨垂れの痕かしら?」

重力がまるで為損じる事が無いのと同様に、
私は自然の持つこのような力を確かに信じていた。