August 4, 2013

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バイクで走って、いつもの白河ラーメンを食べた後、センター北にあるシネコンにて『風立ちぬ』を観た。

実にファンムービーだった。今後に繰り返し観るような映画では無いと思った。
主人公があれ程まで傍若無人に高潔でいられる為には、彼の果たす国家的な責務を必要とする。つまり後の零戦を神話として知らねばならない。
飛行機が既にノスタルジーの機械であることは分かった。

飛行機はもう古い。ノスタルジーをしか惹き起こさない。
とすれば今後は、弾丸のように宇宙へ飛び去ったまま、二度と戻って来ないような機械だけが正義になるだろう。

劇中の気象の描写が、日本の風景としては壮大で荒々しく、寧ろ大陸的であることはまさに、ニーチェの「まん真ん中を貫いて!」という"Stimmung(気分、気象、声)"があるように思える。
それは試作機のエンジンを始動する音が、不穏にも声のようであることに連なってくる。