July 6, 2018

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外苑前へ。EUKARYOTEにて、
香月恵介個展 「Les Nymphéas」、
海野林太郎個展 「サスペンデッド・エクスプローラー!」、
のオープニングに顔を出した。
小雨が降っている。



海野くんの作品に用いられている、FPS身体的なカメラワークについて書いておく。
この身体性は、特に「破滅*アフター」出展の海野作品に特に顕著だった。
腰溜めの滑らかな前後運動、これはグライドカム導入当時からの特徴的なカメラ操作の動作であるが、肩から先の揺動を抑えつつの左右の速い旋回動作は特徴的で、DJI Osmoの操作としてはジョイスティックを戻しながらその速度に合わせて上半身を高速で回す操作を要する、極めて訓練を要する身体性がある。
該当作品では、対象への素早いパン振りはDJI Osmoジョイスティックの最大速度設定によって為されている。そこから歩行シーケンスへの戻りは特異な上半身回転とジョイスティック操作を同時に行うことによって成されている。この左右旋回の運動は一般的なカメラ操作の動作と比較した場合、異常に速い。
これらの下半身の揺動を抑えた、能のような動き、そして上半身の極端に速い旋回運動こそがまさに競技的FPS典型のカメラ運動を表現する身体性である。
これはエルンスト・マッハが言うように、人間の眼が水平に並ぶことに基づく速度であるが、映画的パノラマ感における敵対対象の補足運動とも少なからず関係がある。