私の同級生である利部志穂の個展を観る為になびす画廊(銀座)へ行く。
作品を構成するのは廃品の寄せ集めで、用いられた素材それ自体は最早フェティッシュでしかない。「組み合わせ」と云う事が作品に於ける最低限の「形式」を成り立たせている。つまりこの作品に於ける大半は質料に対して費やされている。だから寧ろ、この作品の成り立ちの為に必要な"複数にして単数の土台"と云うことが問題になってくる。空間に於ける個々の部材の配置と云う事よりも、それぞれが共動しながら建築/場と関係を結んでいる事にこそ着目するべきである。
この作品から催される情調は余りに彫刻的であるのに、もし「土台」と云うことが問題にならないのだとすれば、これは単なるインスタレーション作品と云う事になってしまうだろう。それではこの作品の持つ楽しみを欠いてしまうのだ。
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『利部志穂』展@なびす画廊 >>>
http://www.nabis-g.com/exhibition/2007/kagabu-s.html