January 31, 2010

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東京都現代美術館に『レベッカ・ホルン展——静かな叛乱 鴉と鯨の対話』を観に行く。
館内のカッフェがベトナム・メニューを提供していたので、私はプリンとベトナム・ビールを注文した。プリンは南瓜でも入っているような色調で(或いは南瓜プリンだったかもしれないが、覚えていない)、刻んだ氷が掛けてある。ビールの味は南国のものによくある薄味。とても気に入った。屋台ふうにディスプレイされた物販コーナーが在ったので、ちゃちなベトナム製のスプーンを買った。まるでスプーンを型取りして鋳込み、模造品として仕立てたかのようなスプーン(機能的には全く問題が無い!)。
企画展に関しては映像作品が多め。にも関わらず、小部屋に別れている映像展示スペースには充分な座席数が確保されていない。鑑賞者は自然、入り口の辺りに溜まってしまう(完全入れ替え制では無い為に)ので、落ち着かず窮屈な鑑賞を強いられる。ゆったりとした一人掛けソファは要らないので、代わりにベンチを置いてほしい。オブジェ作品を展示するスペースには、鑑賞者が不用意に作品へ近付かないよう、作品の手前の床に木の棒が打ち付けてある。が、これが思ったよりも分かり難く、案外に気に留めないものである。私は「それ以上作品に寄るな」と数回注意を受けた。とは云え、フィルムが床に散らしてある、天井には何か放電を行うらしい装置のあるインスタレーションふうの作品に関しては、このような棒が床に打ち付けられてはいない。一見するとインスタレーション作品のようだから、作品の一箇所にフィルムが床に置かれていない場所が在り、そこからは放電器の真下まで歩み寄れそうである(作品を構成する床置きのフィルム群は、C字に配置されている)が、ここでも係員からの注意を受けた。「放電器に近寄ると危ない」とのことであるが、どう考えても作品の内部へ、放電器の真下へ行って観るべき作品のように思えるのだから、やはりこの誤解を生じる場所の床にこそ棒を打ち付けるべきなのである。つまりこの作品は大柄なオブジェとみるべきもののようである。段々と気が散ってきたので、2階から吹き抜け空間の方を窺い、『アルスエレクトロニカ』展の設営風景を眺めたり、終いには飽きてしまった。
とは対照的に、常設企画展の『岡崎乾二郎』展は大変に良かった。