August 31, 2014

映画『リヴァイアサン』(2012)について

渋谷に在るイメージフォーラムにて『リヴァイアサン』を観た。

【以下編集中】
あれはGoProみたいにハードな使用に耐える高性能小型カメラないと実現が難しい作品だ。ドキュメンタリというよりスリラー映画だった・

カットの殆どが厳密に調整された構図じゃなく偶然に上手く撮れた映像を、おそらく膨大に撮り溜めたであろう映像アーカイブからカットとして抜き出してる。これはオート撮影機能がある程度優秀なカメラじゃないと実現できない・

ちょっと前までは小型カメラ映像は低品質で、寧ろその粗さこそが小型カメラの生っぽさとして演出的に用いられていたが、GoProではハンディカムくらいの品質で割と安定した画が撮影できる。低照度撮影なんて昔のカメラじゃノイズが酷くてとても綺麗な映像を得ることは無理だった・

映画『リヴァイアサン』では結構”綺麗な画”が散見された。条件さえ上手く合えばこれくらいの品質の映像を小型カメラによって得ることができる。2012年制作だとギリギリGoPro3発売前か、今なら4K映像からの切り出しすら可能・

カメラ性能使い切ってるので、白波のブロックノイズとか、速い動きのフリッカーノイズとか、波に叩き付けられての回路ノイズとか色々発生しててベンチマーク感ある・

カメラが厳密な構図に保持されない、構図の維持とは不随意の身体性がある(船のクレーン、釣り上げられた魚、いつも通り仕事をこなす漁師、などにカメラが据え付けられる)、カメラの人称性が消えているのが興味深い・

GoPro的映像といえばRedBullが提供するような、エクストリームないわゆる「人間の身体性すげー」とか、今まで見たことも想像したこともなかったような驚くべき視界の方がフォーカスされ易いが、ここ数年で単なるそういうカメラ視点は陳腐化しつつあった・

勝手に動いてしまったカメラみたいなジョナス・メカスの構図みたいなのもある。ある程度は作為的に転がしたカメラみたいな。それとは別にアーカイヴ・エディットみたいな性格も強い。この二つは拮抗しているように見えるんだけど、そこからの第三項はかなりある・