October 8, 2014

gnck『画像の問題系、演算性の美学』について

谷中へ。gnckくんが美術手帖芸術評論募集で第一席を受賞した、『画像の問題系、演算性の美学』の読書会に参加する。

(以下、編集中)
この論文は伝統的な絵画論の遡上にあるから、アルゴリスムとハードウェアの弁別なしにはインスタレーションへの展開が不可能なのではないか? 逆に、この点を埋めてやれば、今日的なデジタルの作品もメディウムの動的な規定により、詳細な記述が可能になるのではないか? という予見がある。メディア論よりも表象をベースに展開している論である、という印象。なら鑑賞経験論的にはムーアの法則に従い技術的解決による作品の漸近的な進展が予期できる。つまり、現時点ではマシンスペックが足りないが、今後は意図通りの展示が可能な、計算量についての記述論的な解決、つまり時間的な作品の鑑賞経験上の保留が生じる。

(例えば数枚の静止画にそれぞれノイズ・エフェクトを掛けてそれらを”ループのアニメーション”に仕立てると、静止カメラで撮影した映像に見える。が、これは時間的に閉回路の静止画が時間化したものであろう。故に映像とは弁別される。つまり作品の外観の質感と対実としてのアルゴリズムは弁別し得る)

”物資性の動的な規定”の理論は、直近に展開される美術論の核になるであろう要素として予想されるので、詳細に考察したい。