April 11, 2009

untitled

14時過ぎに家を出て、秋葉原へ行く。12V1AのACアダプタを買う為にあちこち探すが、目当てのもの見付からない。探していたACアダプタのプラグが少々特殊なもののようだ。標準プラグからの変換プラグを探すが中々ない。めぼしい店を数件巡ってもとうとう見付からず、終いに高架下の小店街を経巡ってやっと購入することができた。
秋葉原からは菊名へ行き、東京都現代美術館で催されている『池田亮司展』を観るつもりだったが、それから清澄白河へ行くことを考えると余り時間もなさそうだった。電気街から万世橋を越えて銀座線神田駅へと行き、そのまま真直ぐ清澄白河へと向かう。
この日、小山登美夫ギャラリーでは Gelatin 展のオープニング・パーティが催されていた。会場にはKrhさんの友人が何人か居るらしく、無料酒を呑むには良い機会だと思った。
それまでに散々歩き回って疲れていたから、駅を出てからカッフェを探して暫く歩いた。が、この辺りはオフィス街だからなのか、定食屋などは在れどもカッフェは見当たらない。結局は隅田川を越えて日本橋へと行き、手近なファミリーレストランに入った。
定刻には少し遅れて19時頃に会場へ着いた。この建物のエレベータは、搬出用のいかにも倉庫といったふうな大きなものだ。それがなかなか下へと降りてこない。やっと降りてきたかと思うや、エレベータ・シャフトの上の方から何やら騒がしさも降りてきた。ドアが開いて、思わず笑ってしまった。Krhさんの友人の一人が、小さなレコード・プレイヤを前に、学ランを着てDJをやっていた。会場に入ると、案の定、居るのは外国人ばかりだった。見知った顔も幾つか有る。無論、その全てが知り合いという訳ではないが。軽く作品を観て回る。そのままの足で屋上へ向かい、早速酒にありつく。その間にKrhさんから友人を紹介される。私は、英語を聞いたり読んだりする分にはなんとかなるが、話すとはままならない。相手が簡便な英語を話すに任せて、私はそれに日本語で以て返答した。
展示されていた作品について、それらは大凡私の趣味からは外れたものだった。売値は見ていないが、多分値が張るだろう。オーストリアのグループ Gelatin、作品にはペニスやアヌス、糞便の類いが頻出する。他愛もない悪趣味な感じもする。既成のぬいぐるみを解体し、再構成をしたらしいオブジェ、コラージュふうのデザインが為された椅子やテーブルなどは、微笑ましい好感が持てた。他、粘土状の樹脂を貼付けた絵画作品の一部には面白いものがあった。これは、適度な大きさに丸められた様々な色合いの樹脂を画面に貼付けることで描かれたモザイク状の絵画だ。用いられた樹脂辺の一つ一つは外形が維持され、混じり合っていない。つまり、作品に掛かる手数を数え上げることができる。又、この樹脂辺の一つ一つは手垢のように汚らしいのでフェティッシュを喚起しない。それらの集合によって、何らかの観られるべき注意を惹こうという態度は面白い。まさに質感にこだわった結果、陳腐なイメージと結び合っている。
20時を過ぎて、他の階も観て回り、その都度酒に手を伸ばして呑んだ。他の会場には特に見るべき作品がないように思われた。その内の二つ、刺繍による絵画作品と、八木アンテナによるインスタレーション作品(以前にYsdさんから聞いていた作家の)は、それなりに面白かったかもしれない。
それから、Krhさんとその友人(オーストリアで建築を専門としているらしい)との三人で八丁堀の居酒屋へ行き、軽く呑んだ。外国人が日本食の何を好むのかがよく分からない。仮に私が他国へ行き、他国語で書かれたメニュを見たとして、そこに写真も何もないとすれば、確かに料理の注文には困ることになるだろう。果たして隣のテーブルを指差し「あれと同じものをくれ」と言うことになる。彼とは会場で建築の話をしていたので、ここでは都市論的な話をした。