December 20, 2009

untitled

六本木に在る森美術館へ行き、『医学と芸術展』を観る。
私は当初、この企画展を象徴するものはレオナルドの解剖図なのだと想像していた。
言うなれば芸術的観点からの解剖学的なアプローチに依る神学——制作物である作品を神の創造と並行させる為の試み、という態度である。
それは、第二室までの資料的な含みのある展示構成に於いて期待された。が、グロテスク(これは現代に於いて日常的に用いられるような意味合いで)の峻別を鑑賞者に対して喚起するような但し書きのある小部屋を経て、一転する。
例えばグロテスクな形態に対しての、企画者の個人的なフェティッシュに因る興味が表れることで、ここには「驚異の部屋」が現前している。折に触れて感じることであるが、この美術館の企画展それぞれに通底する見世物小屋的な、雑多性が見て取れるのだ。
とは云えこの雑多性が、今回の展示に於いては観覧者にとっての程よいヴォリューム感を生んでいたことは確からしい。転じて、豚骨醤油味のラーメンを食べた後のような気分である。
それから、バスで渋谷へと移動し中古本屋へと歩く。
鳥山明『鳥山明○作劇場 Vol. 3』、
手塚治虫『ネオ・ファウスト』、
を購入した。