January 13, 2009

untitled

 転居先が決まった。それに伴って、今は生活の新たな展望を想像している。例えば、新居の家具の配置や照明器具のこと、考えるだけで頭が痛いが蔵書の収納のこと、あれは持って行きこれは捨てるというようなこと。できれば全部捨ててしまいたい暴挙に思いを寄せ、また土壇場になってそれを捨てることが急に惜しくなってしまうのだろう、という想像。この雑誌は捨てる、この漫画は捨てない、この小説は捨てる、いや捨てない——云々。単なる重さにしてどれだけの量を捨てることができるか、という点には興味が尽きない。多少要るかと思うものであっても、売り払ってまで部屋を軽くすることができれば爽快だろう。
 書斎を手に入れること、椅子に座って本を読むことができること、論文の執筆に取り掛かること。台所の脇にイーゼルを置くことのできるちょっと場所を手に入れること、南窓からの陽射しを手に入れること、眠るに際して鬱積した本の山を見なくて済むということ。
 職場の人から、石黒正数『それでも町は廻っている』(Bd. 1-5)を借りたので、今はそれを読んでいる。