January 3, 2009

untitled

 郷里からの帰京。久々に新幹線のホームに立ってみると、在来線のそれとは異なる印象がありのまま新鮮に思える。線路の幅の広いことが頼もしく感じられる。視線が向かいのホームを越えていくと、そのまま那須連山の山の端まで、気分が一目散に走って逃げていく。地面というものの眺めが単に平らであり、この余りに平らである広がりのことを私は大地と呼ぶ。眼前を絶えず、右から左から新幹線が行き交うのだが、それはアナウンスがあって暫くすると轟音とともにやって来る、と思った瞬間には走り去っている。鳴らす音のわりに巻き起こる風は僅かだから、瞬く間に視界の外へと消えていく新幹線は疾走するという感じがする。
 途中、新宿の Book 1st. へ立ち寄り、
稲垣足穂『一千一秒物語』(『稲垣足穂コレクション』Bd. 1、筑摩書房、2005年)、
を購入して、多摩へと帰る。