July 12, 2008

untitled

近所の古書量販店にて
弐瓶勉『BLAME!』(Bd. 3, 4, 6, 7, 10)、
手塚治虫『三つ目がとおる』(Bd. 8)、
高橋和巳『わが解体』(1971年)、
島田雅彦『アルマジロ王』(1991年)
を購入する。

 窓を開け放ったまま昼寝をしていると、私の身体は夢を媒介としながら序々に大気の状況へと消え去ってゆくのだが、このようにして確立された夢の中の世界は、次第に私の想念へと収束していった。そして不意に夢は途切れた。私は依然として夢現の最中に在りながら、外界の状況でも確認するかように、深く内界へと落ち窪みつつ窓の外を見遣った。雨が吹き荒び、雷鳴が轟き、およそ重力がこの世界の原理とはなり得ないほどに、私の立てる理由はすっかり横流しにされていた。凄まじい嵐だった。びいびいと唸りを上げる突風は私の部屋の方形に捩じ曲げられながらも、その周囲を取り囲むようにして、眼前の栗林の樹々を殆ど根元から真横に押し倒していたが、寧ろそれにより栗の樹の具えるしなやかさが私の重力を恢復するための強情な彩りを露わにしているとも思えた。私はそのような或る外界の状況を眺めて、吹き荒ぶ風にすっかり横倒しにされたままに立てる己の姿を何度も幻視した。そしてまた深い眠りに就いた。