July 21, 2008

untitled

 「白痴」と云う言葉から、即座に「娘」や「少女」のような年端も足りぬ女の姿が想像されるのは何故だろうか。私にとって「白痴」の意味するものが、女性にでは無く「女」と云う形象へと直裁に結び付く事は不思議に思える。この言葉から想起され得るものは、即ち「女性」と言われるような確固たる女として確立された人格にでは無く、それから幾分かの或る欠如を伴ったものとして立ち現れるものでなくてはならない、と云ったふうに。それについて、一つは私の自意識の表現形が歴然として男性的であると云うこともあるのだろうが、寧ろ彼女の年齢を理由とした私に対する従属の強制を、彼女を意のままに使役したいと云う願望から導き出す為なのかもしれない。
 例えば、或る女性に対して、私は彼女を己の娘として迎え入れたい欲求に駆られる事があるが、その場合に彼女を私と同格の世代に据えずその下の世代に留めておこうとするのは何故か、と云う不思議にもこの疑問は通じているように思われる。