June 7, 2008

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 今日は何をすることも思い付かなかったので、一通りの家事を済ませた後は、家の中で本を読み、今週に放映されたアニメを何本か観た。天気が良かったので自転車を整備し、それに乗って近所の古書量販店へ行った。
葛飾北斎『富嶽三十六景』、
歌川広重『東海道五十三次』、
歌川広重/渓斎英泉『木曾海道六十九次』、
これらの画集を見付け、参考資料として購入した。『富嶽三十六景』を全て通して見るのは久し振りで、とても懐かしい思いがした。他に、
大江健三郎『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』
も併せて購入した。

 今夜はとても静かで、窓を開け放つと冷ややかな風が舞い込んで来る他にはしんとして、周囲に在る一切の空気が深く押し黙った侭で居る。平素は賑やかな隣人も今だけは唖なのだ。時たまに、向こうの山の端を風が撫で付けて樹々の葉の先端を鳴らす風切りの音が、そのさらに向こう側に在る路上の気配を連れて来る。エンジンやクラクソンの音に混じって、子供らの声、下水管を流れる水の音、ビデオデッキが発する高周波音が聞こえて来る。やがて、テレビの音や、笑い声、犬の足摺る音も聞こえて来る。それらは散々に私の耳元で戦慄き、大音響の騒音と成った後に、耳鳴りでもするかのように頭上で響き渡り、そして再び静まり返った。