September 19, 2008

untitled

 あなたの耳が、私にとっては余りにも可愛らしいものだったから、私はまるで口説くような口調で、こうしてあなたに語りかけているのです。あなたは色の白い柔らかな肌をして、あなたの耳はやはり同じような色白で、電灯の明かりの為に仄かな暖色で色付き、そして耳の先のあたりがやおらに紅く染まり、するとあなたの耳は花の咲くように艶やかに、あなたの髪はその輝きを照り返すように、あなたの黒髪が右と左に流れる分水嶺の如き白く小さな耳のかたちが、あなたの耳はあなた自身であるかのような、あなたは私にとってのそのような薔薇の耳なのです。