March 8, 2009

untitled

・地政学と交通地理学とに跨がる軍事地理学を追認すること。
・距離と時間とに対して、速度の優位を謳う未来派の口振りを真似ること。
・移動における時間。

・先ず初めに世界がある。
・次にその世界を発見する、と同時に、こちら側とあちら側とが区別される。
・実に、この世界があることは、境界概念が現れる事後である。
・こちら側の大地。海岸線。眼前の海原と、その向こう側に想起される、あるかもしれない"あちら側の陸地"(彼岸)。
・このような意識の移ろいと共に移動がある。
・或いは、この移動が、こちら側とあちら側の認識に先立って境界線と同時にある。
・境界線がよりこちら側に近いか、またはあちら側に近いかということは、単にこの境界概念がいまだ保留され続けていることを表すに過ぎないか、自身の立てる場所を、それ以外の場所とは依然として分たれている。

・ke-ke-me-na の空間(これが部屋だということは既に分かっている)
←空間という立ち上がりよりも、場という平板さに近い。room=余地

・作品と、それ以外(周囲の環境)とを区別(区分ける)境界——額縁と土台。
・作品に額縁や土台が見当たらない場合にも、parergon は常に、作品とそうでないものとを区分ける。
・作品における、絵画の画面とそれ以外の部分、土台のない彫刻がそれ自身で立てる為の構造(しくみ)。

・画中の人物がありありと生きていること、絵具が生身の人物としては世界に存在しないこととの間、ここに絵具の微笑みがある。
・このような画中に生きる人物と、作品のその人物のモチーフとなった人物が実在している事実とは、最早何らの関係もない。それは作品上に、事後的に形作られる関係である。