May 24, 2009

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銀座テアトル・シネマにて
オリビエ・アサヤス『夏時間』(Olivier Assayas "L'HEURE D'ETE" 2008.)
を観る。
母の死を通じて出来事が進行する。
母への個人的な感情は、全てこの出来事に先行する祖父の死へと執拗に逸らされていく。
この作品において、肉親の死に対するセンチメンタリズムは徹底的に避けられている。
通俗的な「個人的な体験」からは離れて、もっと社会的な関連構造が描かれている。
(端的には終盤部のオルセー美術館のシーン)
歴史的な画家である祖父の死と、その遺産(具体的なものを含め、さらには文化的な価値へと拡大する)の相続というモチーフ——
ひいては客観的な意味合いにおける世代間の関連が、この作品の主題である。