May 31, 2009

untitled

アフォリズム小説——400字詰め原稿用紙5枚以内の、さらにはその2枚以下から序々に俳句へと至るような——を書くことは難しい。だが、このような形式の小説を、例えば娯楽小説——マーケティングと云う無味蒙昧を模倣するように、歴然と他立するようなものを目指した——として書くのであれば、それは容易い作業になるかもしれない。何しろ大衆的な気分は花火のようにぱっと灯って、そして余韻も無く闇へと消え行く忍耐の欠如があるから。

※私が日本語に於いて"アフォリズム小説"と云うものを思考する際には、デリダの邦訳の内から幾つかの文体を盗み出している。

バルセローナ、サンパウロー、カツフエー、アクタイオーン……。
私は長音の具合をひた確かめながら、慎重にギリシアふうの音韻を確かめていった。

現代の価値とは、コカ・コーラのように——飲めば飲むほどにますます喉が渇く——欠如が必須なのだ。