August 8, 2008

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オペラシティアートギャラリーにて『近藤恵介展』を観る。

そして、そのついでと云う気分で、『トレース・エレメンツ——日豪の写真メディアにおける精神と記憶』展を観た。
事前に下調べをしていた訳では無いので、古橋悌二《LOVERS——永遠の恋人たち》(1994年)のキャプションを目にした時は、驚いたし興奮した。
この作品については以前より様々な媒体から知識(彼の死によって神聖視された)を得ていたが、実際に目にするのはこれが初めての事だったからだ。

なびす画廊にて『P——利部志穂展』を観る。
昨年に観た同画廊での作品と比較して、インスタレーションへの傾向をさらに強いものにしていたが、それにより扱われた素材の物質感は殊更に際立っていた。
その為に、私には最早「彫刻」と「インスタレーション」との差異が殆ど疑わしいまでに接近していると感じられた。
蓋し、初見の直観に従えば、この作品は歴然として「彫刻」である。
ただその根拠を明晰に述べる事が出来ないほどに、私は「彫刻」についてを掘り下げて再考せねばならないと云った具合に陥ったのだった。