August 22, 2008

untitled

 仕事が終わってから渋谷へと向かい、レコード店にて Mravinsky, E. による Bruckner, A. の交響曲集(Symp. No. 7 - No. 9)、Shostakovich, D. によるピアノ曲の自作自演集、Borodin Quartet による Shostakovich, D. の弦楽四重曲集(No. 1 - No. 15)のCDを購入した。これらは全て VЕНЕЦИЯ 盤のもの。

 8月15日の終戦記念日を経てから、気温は下がり、やがて秋めいてきた。蝉はまだ騒々しく鳴き喚いているが、その様相は随分と空々しく季節外れであるとも感じられるほどに、この数日の気象の変化はより一層明確に秋を表し始めていた。私が幼い頃に覚えた夏のイメージ——青空に立ち上る入道雲や、夕立や雷——は、この十年の間はすっかり失われていたのだけれども、今年の夏にはそれらがまるで一巡でもして再び開始されたかのようであり、四季に於いては最も強く激しい夏の気象の現れは、私の古い記憶を一括りにして一挙に蘇らせるものだった。巷で喧伝されているようにそれは確かに異常気象の片鱗であるかもしれないが、私は幼少期を過ごしたタイでの気分を呼び起こす荒々しい今年の夏のから直裁に懐かしさを覚えた。だが、その夏の姿も今や私の眼前を足早に過ぎ去ろうとしている。気が付けば散歩道を彩る風景の色合いもまた秋へと移り変わっていく。草木はその時々で最も華やかな種が連綿に異なるとは云え、このような眼に見える自然の変化について私は敏感でありたいと思う。