August 14, 2008

untitled

 B社での仕事が今日で最後となったので、同僚の一人が気を利かせてくれて、居合わせた何人かと写真を撮った。本当に小さく、小ぢんまりとしたスナップ写真だ。Tさんが携帯電話で撮ったものを、職場で写真撮影をするなんて珍しいなと思いながら余り乗り気ではなく私が写り込んでいるそれを、彼女は退勤の際に何気なく私に手渡してくれた。並んで写る顔を見比べて、それにしても私は年齢の割に老け込んだなと思った。子供を連れて職場に顔を出していたOさんは、親子で写真に収まっていた。その子はとても大人しく、幾らかは緊張していたかもしれないが知的な性質の潜む控え目な立ち振る舞いで、私を直裁に驚かせるのだった。バルトから「眼の背後にではなくて、眼の上に、余分の知性を貯え、思考力を保ち包蔵しているように見える」[『表徴の帝国』]という言い回しを借りて、私にはこのような瞼への印象にOさんと息子であるH君との血の繋がりが端的に見出だされてくるのだと思えた。