March 23, 2008

untitled

春の陽気はすっかり我が物顔をしてやって来た。
辺りには花々が咲き誇り、山の端の色彩は序々に白味を帯び、霞掛かってくる。
それ(es)に在る気分(stimmung)は紛れも無く「春」である。
その「何ものか」が私に語り掛けてくる。
実に慌ただしい、まるで「紙だ、インキだ」と云う具合に成る。
私は「それ」についてを何一つ残らず、余すところ無く書き記すつもりで居る。
冬の風景に於いて発見されたものが次第に確信へと変じていくのである。
私の抱く予感——もの自体(Ding an sich)に孕まれていた時間が充足理由律の上に書き記されていくこと、私の所有する発見。
私の頭上に吹き荒ぶ風、私は「春」を発見した、私の心の真ん中を貫いて、春雷は私に霊感を与える——と或る"予見"、この穏やかならぬ騒めき——騒々しさ、この何ものかが私の眼前で喚き立て、私はそれを注視しながらも地団駄を踏む。

私の夢、私の錯覚は、この晴れ渡った空色の如く鮮やかで、澄み切っている——と云うような夢を見た。